世界観
◆十人目
十人目は創造者であり最後の審判の主宰者である。宇宙を使った実験をしており、当公演で取り上げているのはその一部である。十人目は時系列の外にいて全てに存在し、観察している。十人目が産み出したものは十人目自身でもある。
(図:十人目の視点、時系列はひと視点の宇宙)
十人目の存在は「火の鳥は宇宙が自身の身体の中に自分自身を創造したものである」という設定を参考にしている。つまりは現実の後ろにいる創造者が自身の世界に自分自身をつくり出したものであり、かごめかごめはその存在の登場を歌うハジマリノウタとしている。後ろの正面とは現実の裏にいる存在の表の姿のことであり、その誕生によって天と地が統一されることになる。
(図:火の鳥と当公演の比較)
◆かごめかごめ
かごめかごめ 籠目籠目
籠の中の鳥は 後ろに隠れているものは
いついつでやる いつ出てくる
夜明けの晩に 新たな世界の始める前日に
つるとかめが統べった 天と地が一つになった
後ろの正面だぁれ 後ろの正面はだれ
◆ひとの世界(二部で描く日常)
度重なる大戦を経て、人々は経験則として「徳の高さが近いもの同士で共同体を形成する」ことが、ある程度の調和を保つことに気が付いた。そこで特に差の開くところに境界線を引き、二度と出会わない契約を交わした。子どもがカギとなるため相手の存在は子供には知らされていない。
尚、この契約は以下の予言に基づいている。
999年一つの時代が終わるとき
新たな始まりを祝し
古き血は生まれる前へ
遠い記憶のその前へ
はじめに境界線が消え
純真なるもの集いし丘は
終わりであり始まりである
◆鈴の音
鈴の音は十人目の世界を終わらせる力がひとには音として聞こえているものである。具体的には子供に契約を破らせ、親によって混乱を増し、かごめを歌わせている。ひと視点では世界の構図に翻弄されるが、十人目視点では「実験を兼ねながら不完全なひとを生み出し、ひとをきっかけとして最終的には自身が王となって分裂した天地を統べる」目的がある。